税理士事務所は年間で作成・提出・製本する書類の量が多いため、
クラウドに保存することを習慣化するだけで、業務効率がアップします。
クラウドへの保存が慣れない間は、ひと手間かかる と思ってしまうかもしれませんが、結果的に時短になると思います。
電子申告した書類はドロップボックスへ
税務署・都道府県・市区町村を問わず、申告・申請・届出などの送信したデータは「ソフトから印刷」はすぐに行わず、
一旦はドロップボックス(Dropbox)へPDF保存し、その後印刷するようにしています。
ドロップボックスは、有料のプランを利用しています。(ストレージが2TBもあります。)
ドロップボックスへ保存しておくことで、クライアントに対して次のツールを使ってデータを簡単に送ることができます。
- メール
- LINE
- チャットワーク
- SMS(ショートメッセージ)
データの送受信の方法は、事務所の方針によってバラバラだとは思いますが、どのツールにも対応しておいて損はありません。
外出中でも対応できるため、「仕事が早い」という印象を持ってもらうことができます。
ドロップボックスへ保存しておいて役に立った事例
給付金や補助金の申請時の資料添付
コロナ渦以降、持続化給付金・雇用調整助成金・事業復活支援金・一時支援金・月次支援金など様々な制度がありました。
クライアント側で申請する際に、当初は
法人事業概況説明書って何ですか?
受信通知ってどれですか?
などの質問がよくあったかと思います。
「御社の必要書類はこれです」とドロップボックスから添付するだけなので、当事務所ではTEL・メール等のやりとりも最小限で済んだと思います。(TELが少ないのはクライアントに恵まれていると思います。比較的若い方が多いからなのか?)
前年度以前の決算データの確認
これは決算が近づいてきたときの打ち合わせの際に、役に立ちます。
例えば、別表を確認して、欠損金がいくらあるか、株主構成はどうなっているか、倒産防止共済の限度額まではあといくら残っているか等の情報の確認が簡単にできます。
消費税の納税義務の有無 や 簡易課税制度の適用の有無 も金額をチェックするだけなので、その場で確認が可能です。
(消費税については、別途説明資料を作ったりもしますが。)
「事務所に戻ったら確認します。」をなくす(少なくする)ことで、打ち合わせの時間を有効活用できます。
クライアントとのコミュニケーションも取りやすくなると思います。
ドロップボックスのルール作り
大した内容ではないかもしれせんが、当事務所で採用しているルールを3つほど紹介したいと思います。
クライアントごとのフォルダであれば、次のように分けています。
①個人
ア行
個人名
①月次資料
①通帳データ
②人件費 など
②申告・申請・届出
①設立
②決算 など
R03.03月期
R04.03月期
③試算表
R04.05_月次推移損益計算書 など
④請求書
⑤相談内容
②法人
③資産税
④コンサル
イメージはできるかと思います。
テンプレ用のフォルダを一つ作成しておくと、新規のクライアントが増えても管理が楽です。
データの名称(ファイルの名称)は、PDFとして保存するときに、次のようにしています。
(法人税の申告の場合)
- 法人税申告書
- 法人税申告書_受信通知
- 法人事業概況説明書
- 決算書
- 勘定科目内訳明細書
- 固定資産台帳
当事務所の場合は、「決算書」を「決算書類」「財務諸表」などの名称で保存することはなく、一貫して「決算書」にしています。
これはどこの事務所でも似たような名称だと思います。
細かい論点ですが、文字の入力にもルールを設けています。
- カタカナ 全角
- ローマ字 半角
- 数字 半角
- 半角スペース「 」ではなく、半角アンダーバー「 _ 」を使う(ファイル名の作成時)
- ×R3 〇R03
これは「見やすさ」を重視しています。
ファンクションキーの「F7~F10」で簡単に変換できます。アンダーバーは、Enterの下のShiftの左側にあります。
以上、ドロップボックスを使った「保存」についてでした。
税務ソフトのバックアップもドロップボックスへ保存しています。
会計ソフトはすべて自動でクラウド保存なので、特に何もしていません。
PCを買い替えた(買い足した)際も管理が楽です。
事務所内やクライアントと「共有」を活用する際は、ドロップボックスの他、GoogleドライブとOneDriveを使っています。