火災保険料が2022年の10月以降の契約から実質の値上げとなります。
全国平均では約10%程の値上げとなります。
最長で契約する場合の契約期間が10年から5年へ短縮
最長契約期間が10年から5年へと短縮になることで、保険料の割引率が低くなります。
2022年の9月までであれば、契約期間が10年の保険にも加入できるので、予算に応じて長期の火災保険に加入することをおすすめします。
オーナーとしてマンション・アパートの賃貸経営をしている場合は、保険料の額の経費負担割合も大きくなります。
お住まいの地域や建物の構造などでも保険料は異なりますので、まずは専門家へご相談してみましょう。
火災保険は経費になるのか(個人編)
個人用火災総合保険について解説したいと思います。
保険証券で確認すべき箇所
個人の火災保険で、確定申告や年末調整をする上で確認すべき保険証券の箇所は「保険料」の項目です。
次のような表記があるかと思います。
合計保険料 100,000円
▶ 基本契約 75,000円
▶ 地震保険 25,000円
「基本契約」部分(火災保険分)
対象物件の用途(事業用・居住用)に応じて取扱いが異なります。
事務所・店舗・事業所などの事業用であれば、「(損害)保険料」として必要経費に算入することができます。
「地震保険」部分
次のように3つに分類できます。
- 自宅の場合 地震保険料控除という所得控除の対象となります。
- 事務所・店舗の場合 損害保険料として必要経費に算入することができます。
- 自宅兼事務所の場合 所得控除と必要経費への算入を按分します。
地震保険料控除の控除証明書は、確定申告や年末調整において忘れずに添付するようにしましょう。
地震保険料控除の金額
事務所や事業所等の火災保険の取扱い
事務所や事業所などについて火災保険料を支払っている場合は、支払った年の経費として計上することができます。
勘定科目は「(損害)保険料」となります。
自宅兼事務所として利用している場合は、「事業用」部分に相当する金額だけを経費として計上できます。
床面積などの「合理的な按分方法」に基づいて経費計上できる金額を算定してください。
長期契約の火災保険の仕訳
事業用資産の火災保険料を一括で支払った場合、支払った年の経費として処理をします。
ただし、契約期間が2年以上のものについては、支払った保険料を「(損害)保険料」と「(長期)前払費用」に分けて処理をします。
契約期間が長期のものは、月数の経過に応じて徐々に経費化していきます。
10年分の火災保険料を支払った場合
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
---|---|---|---|
(損害)保険料 | 10,000円 | 普通預金 | 100,000円 |
(長期)前払費用 | 90,000円 |
翌年以降の会計処理
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
---|---|---|---|
(損害)保険料 | 10,000円 | (長期)前払費用 | 10,000円 |
以上、火災保険についてでした。