【均等割】法人の設立日(会社成立の日)はいつがよいのか

法人を設立する際の設立日(会社成立の日)について記事にしたいと思います。

3月決算であれば、期末=3月31日といった具合に「期末=末日」を前提としています。

目次

法人の設立日とは

法人の設立日とは、法人の成立した日となります。

登記簿謄本の「会社成立の年月日」という箇所に表示されています。

この会社成立の年月日とは、法務局に会社の設立登記を申請した日となります。
登記が完了した日ではありません。

【登記申請日=設立日】となるので、法人を設立する際は事前に「希望日」を聞きます。

多くの方から「○月中に法人を設立できるのであれば、いつでもいいです。」といった回答をもらいます。

その場合は、せっかくの法人設立なので「大安」を勧めたりしています。

また、アイキャッチ画像にあるように「1日」以外の日にしています。

法人の設立日は2日以降がよい

法人の設立日を2日以降にする理由は、「均等割」という税金が安くなるためです。

均等割という税金は都道府県市町村に赤字であっても納める税金です。
東京都の23区内の法人は、都の特例として、市町村民税相当分もあわせて都民税として所管の都税事務所に納めることになります。

具体例として、福岡市であれば、法人市民税の均等割は、「資本金等の額が1,000万円以下」「従業者数が50名以下」であれば、5万円となります。

この5万円の均等割ですが、計算式にすると次のようになります。

税率(年額)× 事務所・事業所などを有していた月数 ÷ 12

⇒50,000円 × 12ヶ月 ÷ 12 = 50,000円

上記の「事務所・事業所などを有していた月数」ですが、1ヶ月未満は切り捨てるように定められています。

具体例として、3月末決算法人を設立する場合は、設立日によって次のようになります。

設立日事業年度事務所・事業所などを
有していた月数
均等割の額
2022.04.012022.04.01-2023.03.31(365日、12ヶ月)12ヶ月50,000円
2022.04.022022.04.02-2023.03.31(364日、12ヶ月)11ヶ月45,800円

4/2に設立するだけで、均等割の納める額が、4,200円安くなります。
(5万円×11ヶ月÷12(百円未満切捨))

なお、都道府県民税の均等割についても同じ取扱いとなります。

根拠法令(地方税法 第312条 法人の均等割の税率)

税率(年額)× 事務所・事業所などを有していた月数 ÷ 12

2つ目の目次で確認した上記の算式ですが、地方税法312条4項(法人市民税)では次のように定められています。
法人県民税の場合も、同じ条文があります。

第312条 法人の均等割の税率

4 第1項又は第2項に定める均等割の額は、当該均等割の額に、前項第1号の法人税額の課税標準の算定期間(一部省略)中において事務所、事業所又は寮等を有していた月数を乗じて得た額を12で除して算定するものとする。
この場合における月数は、暦に従つて計算し1月に満たないときは1月とし1月に満たない端数を生じたときは切り捨てる

月数は、暦に従つて計算し1月に満たない端数を生じたときは切り捨てる。」

⇒これを要約すると、法人の設立日が各月の2日以降であれば、均等割の計算上は「1ヶ月未満の端数は切捨OK」という意味になります。

1月に満たないときは1月とし

⇒3月決算法人を3月2日に設立した場合などです。
 1期目:R04.03.02ーR04.03.31 といった具合に、設立初年度が1ヶ月未満の場合は、切り捨てて0カ月ではなく1ヶ月としてカウントするという意味です。

似たような論点で下記の記事もあります。


設立初年度に少しだけ税金が安くなる方法でした。

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