エクセルを使って、会計ソフトに入力した経費の二重計上を簡単にチェックする方法について記事にしたいと思います。
私がメインで使っている会計ソフトは、弥生会計・freee・マネーフォワード・JDLです。
どのソフトでも「エクセルへのエクスポート」または「CSVへのエクスポート」は簡単にできます。
その中でも弥生会計は、たったのクリック2回でエクスポートできるので、今回は弥生会計を使ったエクセルでのチェックの方法をご紹介します。
難しそうな関数は一切ありませんのでご安心ください。
※弥生会計22を使用した説明となります。
弥生会計でのエクセルへの書き出し(出力・エクスポート)
まずは、弥生会計にて仕訳日記帳を表示します。【 Alt → C → J 】
仕訳日記帳の画面で、「期間」は全期間にし、赤枠のExcelをクリックします。
「エクセルへの書き出し」の画面になりますので、「OK」をクリックします。
弥生会計での操作は以上となります。
試算表、総勘定元帳、補助元帳も同様の手順でエクセルへの書き出しが簡単にできるので、すごく便利です。
ちなみに、弥生会計22からキーボードの「F7」をクリックすると、「前年度」のデータも見れるようになりました。これも便利です。
書き出したエクセルの編集
次に、書き出したエクセルを編集していきます。
初期の画面は↓のようになっていると思います。
わかりやすいように、チェックに必要な項目以外は削除したものが↓の画面です。
- 日付
- 勘定科目(借方)
- 金額(借方)
- 勘定科目(貸方)
- 補助科目(貸方)
- 金額(貸方)
- 摘要
仕訳をイメージしやすいものだけを残しました。
赤枠の日付の列と金額(借方)の列は次の画面で使います。
「H3」のセルに「=A3&C3」と入力します。(日付のセル と 金額(借方)のセル を & で結びつけます。)
「H3」のセルには「44565300」と表示されました。日付と金額によっては他の数字の羅列となります。
この数字の羅列はエラーではないのでご安心ください。
※「H3」のセルは、書き出したエクセルの初期の画面では「AF11」のセルに相当します。
(「&」ではなく、「+」「-」などでもOKです。)
H3のセルの右下の赤枠にカーソルを合わせると「■」が「+」になるので「+」をダブルクリックします。
H3のセルの「+」をダブルクリックした後は、↓のようにデータが反映されます。
どのデータも「日付&金額(借方)」という意味です。
先ほどのH列のデータを選択し、「条件付き書式 → セルの強調表示ルール → 重複する」をクリックします。
【 Alt → H → L → H → D 】
「重複する値」という項目が出ますので、「OK」をクリックします。
特定のセルだけに色が付きます。
この色のついたセルは、「日付と経費計上額が同じデータ」となります。つまり、経費の二重計上の可能性があるデータということです。
あとは、会計ソフト側で、経費の二重計上となっている仕訳データを削除すれば完成です。
よくある経費の二重計上の発生原因
試しに、↓の赤枠の2つの仕訳データを見てみます。(日付が「令和4年1月4日」のデータです。)
2つの仕訳データに共通していることは、青枠以外の項目です。
青枠以外の仕訳は、「令和4年1月4日に、A-Parkingという駐車場で、駐車場代を300円支払った」という意味です。
異なる点は青枠の貸方の「勘定科目と補助科目」=「決済手段(支払方法)」です。
上のデータは、「事業主借」というプライベート資金での支払であるのに対し、
下のデータは、「クレジットカード」という決済手段にて支払っています。
領収書は1枚しか存在しないのに、同じ内容の仕訳データ(経費の二重計上)がある理由としては、次のように考えられます。
- 事業主借:領収書を基に仕訳データを作成した
- 未払金(クレジットカード):クレジットカードの明細を基に仕訳データを作成した
このような処理は、開業間もない方やクラウド会計を導入したばかりの方に多くみられます。
また、日頃から領収書の整理・保管を決済手段ごとに分けるなどの工夫で解決できます。(参考になる記事はこちら)
年次でバタバタと処理をされる方は特に注意が必要です。会計データの精査の際に、エクセルを使った二重計上のチェックを試されてみてください。
※たまたま同日に、同じ場所(支払先)で、同額の経費が発生し、決済手段も違っていた ということは、珍しいかもしれませんが本当にあるかもしれません!